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相続した不動産の売却スケジュールは?流れを押さえて売却までの手順を確認

相続不動産の売却

木下 純也

筆者 木下 純也

不動産キャリア36年

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「相続した不動産を売るには、まず何から始めればいいのか」。
多くの方が、相続の手続きと売却の流れがごちゃごちゃになり、不安を抱えたまま時間だけが過ぎてしまいます。
しかし、実は相続開始から売却完了、そして確定申告までのスケジュールには、おおまかな「型」があります。
この型を知っておくことで、「いつまでに何をすればよいか」が明確になり、余計なトラブルや税金面での損失も防ぎやすくなります。
この記事では、相続した不動産の売却スケジュールを、準備段階から売却後の手続きまで、順を追ってわかりやすく解説します。
「自分の場合はどう動けばよいのか」をイメージしながら、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

相続した不動産売却の全体スケジュール

相続した不動産を売却する場合は、相続開始から名義変更、売却活動、引き渡し、確定申告まで一連の流れがあります。
相続人の確定や遺産分割協議、相続登記などの整理に数か月、売却活動から引き渡しまでにさらに数か月かかることが一般的です。
相続税の申告期限なども踏まえると、全体としてはおおむね数か月から1年前後を見込んで進めるケースが多いとされています。
まずは全体のスケジュール感を押さえ、慌てず準備を進めることが大切です。

大まかな流れとしては、相続開始後に遺言書の有無を確認し、相続人を確定したうえで遺産分割協議を行います。
その後、不動産の相続登記を行い、名義を相続人に変更してから売却活動に入ります。
買主が決まったら売買契約を締結し、残代金の受領と同時に所有権移転登記や鍵の引き渡しを行うのが一般的な手順です。
さらに、不動産の売却益が出た場合は、翌年の確定申告で譲渡所得の申告や各種特例の適用手続きが必要になります。

また、スケジュール管理では期限のある手続きに特に注意が必要です。
相続登記は相続を知った日から3年以内の申請が義務化されており、正当な理由なく怠ると過料の可能性があります。
相続税の申告と納付は相続開始を知った日の翌日から10か月以内とされており、この期限までに納税資金を確保するために売却を急ぐ必要が生じることもあります。
さらに、いわゆる空き家に関する特例など、相続開始から3年以内の一定期限までに売却しなければ利用できない特例もあるため、早い段階から全体の工程と期限を意識して進めることが重要です。

工程 主な内容 期間の目安
相続開始~登記準備 相続人確定・遺産分割協議 数週間~数か月
相続登記・名義変更 法務局で所有権移転登記 書類準備含め数か月
売却活動~引き渡し 価格検討・契約・決済 数か月程度
売却後の税務 譲渡所得申告・特例検討 翌年の申告期限まで

相続した不動産を売却する前の準備

相続した不動産を売却するためには、まず相続人が誰なのかを正確に確定することが重要です。
戸籍謄本などを取得して法定相続人を調べ、遺言書の有無を家庭裁判所の検認手続も含めて確認します。
遺言書がない場合や、遺言書だけでは分け方が定まらない場合には、相続人全員で遺産分割協議を行い、内容をまとめた遺産分割協議書を作成します。
これらの事前手続を整えておくことで、その後の相続登記や売却手続を円滑に進めることができます。

次に、相続登記や名義変更の準備を進めます。
相続によって不動産を取得した相続人は、不動産を取得した事実を知った日から3年以内に相続登記を申請する義務があり、正当な理由がないまま放置すると過料の対象になる可能性があります。
相続人の確定や遺産分割協議が済めば、必要な戸籍関係書類や遺産分割協議書などをそろえて法務局に相続登記を申請し、登記が完了して初めて売却に向けた名義の整理が整います。
多くの場合、書類の収集や内容の確認に時間を要するため、売却時期から逆算して早めに動き始めることが大切です。

あわせて、売却前には物件の状況と必要書類を整理しておくことが欠かせません。
固定資産税の納税通知書や登記事項証明書などを準備し、建物の増改築の有無や老朽化の程度、越境や境界標の有無なども確認しておきます。
これらを事前に把握しておくことで、将来の売却活動における説明や価格査定がスムーズになり、契約後のトラブル防止にもつながります。
さらに、相続税や譲渡所得税の負担を見据え、手元に残る金額の見通しも含めて全体像を整理しておくと安心です。

準備項目 具体的な内容 実施の目安時期
相続人と遺言書の確認 戸籍収集と検認手続 相続開始後できるだけ早く
遺産分割協議 分け方合意と協議書作成 相続人確定後速やかに
相続登記と書類整理 登記申請と物件情報把握 売却予定時期から逆算

売却活動から契約・引き渡しまでの流れ

相続登記や名義変更が完了したら、次の段階が売却活動です。
まずは市場の相場を把握し、周辺の取引事例や公的な地価などを参考に売却価格の目安を検討します。
あわせて、売却の時期や希望条件(いつまでに売りたいか、どこまで価格交渉に応じられるか)を整理しておくことが大切です。
これらを踏まえて売却方法を選び、広告開始や内覧受け入れに向けた段取りを整えていきます。

売却活動が始まると、購入を検討している方からの問い合わせへの対応や、内覧の日程調整が必要になります。
内覧時には建物や設備の状態を正確に説明し、不具合があれば事前に把握しておくことで後々のトラブルを防ぎやすくなります。
そのうえで、価格や引き渡し時期などの条件交渉を行い、双方が合意すれば売買契約書を作成して締結します。
契約書の内容は、手付金の額や違約時の取り扱いなども含めて、細部まで確認してから署名押印することが重要です。

売買契約締結後は、決済と引き渡しに向けた具体的な準備に入ります。
決済当日は、売主と買主のほか、司法書士や金融機関担当者が同席し、残代金の支払いと同時に所有権移転登記の申請、鍵の引き渡しを行うのが一般的です。
この際、登記識別情報、印鑑証明書、固定資産税の納税通知書など、必要書類に不備がないか事前に確認しておくと、当日の手続きがスムーズに進みます。
残代金の受領と所有権移転登記、物件の引き渡しが完了した時点で、相続した不動産の売却は一連の取引として完了します。

段階 主な内容 注意点
売却価格の検討 相場確認・希望条件整理 無理のない価格設定
売却活動と契約 内覧対応・条件交渉・契約締結 契約内容の細部確認
決済と引き渡し 残代金受領・鍵の引渡し・登記 必要書類の事前準備

売却後の税金・確定申告とスケジュール

相続した不動産を売却すると、利益が出た場合には譲渡所得として所得税と住民税が課税される可能性があります。
このほか、登録免許税や印紙税など、取引に付随して発生する税負担もあります。
譲渡所得が生じた年には、原則として翌年の所得税の確定申告期限である翌年3月15日までに申告と納税を行う必要があります。
税金の種類ごとの対象や期限を把握しておくことで、売却後の資金計画や手続きの遅れを防ぎやすくなります。

相続した不動産の売却で課税対象となる譲渡所得は、売却代金から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。
取得費には、被相続人の購入代金や仲介手数料などが含まれ、領収書や契約書などで裏付けることが求められます。
また、相続税を納めている場合には、一定の要件のもとで「相続税の取得費加算」の特例が使えることがあり、相続税の一部を取得費に上乗せすることで譲渡所得を抑えられる場合があります。
さらに、相続した空き家を売却した場合の特別控除など、利用できる特例の適用期限を確認しながら、余裕をもった売却と申告の予定を組むことが大切です。

売却後の確定申告では、譲渡所得の計算根拠を示すための書類準備が重要になります。
一般的には、売買契約書、登記事項証明書、仲介手数料などの領収書、相続税申告書の控えや納税証明書、特例適用の明細書などを整理しておきます。
これらの書類が揃っていれば、税務署への相談や税理士への依頼もスムーズに進み、申告漏れや特例の適用漏れを防ぎやすくなります。
売却代金の入金額と実際の納税額、手元に残る資金の見通しを確認しながら、翌年の3月15日の期限を意識して計画的に申告準備を進めることが重要です。

項目 主な内容 一般的な期限
譲渡所得の税金 所得税と住民税 売却翌年3月15日
取得費加算の特例 相続税の一部上乗せ 相続税期限後3年以内
空き家売却特例 最大3000万円控除 制度指定期間内

まとめ

相続した不動産の売却は、相続人の確定や遺産分割協議、相続登記からスタートし、売却活動、契約、引き渡し、確定申告まで続く長い工程です。
全体のスケジュールを意識しないと、相続税や各種特例の期限を逃してしまうおそれがあります。
早めに相続人同士で方針を共有し、必要書類を整理しながら、余裕を持って売却準備を進めることが大切です。
当社では、相続開始から売却後の申告まで、一連の流れをわかりやすくサポートいたします。
不安や疑問があれば、まずはお気軽にご相談ください。

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