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相続した家の売却で税金はいくらかかる? 費用の目安と相続した家の売却手順を解説

相続不動産売却と税金

親から家を相続したものの、このまま持ち続けるべきか、それとも売却すべきか。
そして「売ると税金はいくらかかるのか」が、特に気になるポイントではないでしょうか。
実は、相続した家の売却には、相続税だけでなく、譲渡所得税や住民税など、いくつかの税金や費用が関わってきます。
しかも、所有期間や住まい方、そして特例の使い方によって、最終的な負担額は大きく変わります。
この記事では、相続した家を売却するときに関係する税金の全体像から、具体的な税額の考え方、使える特例や費用の目安までを、順を追ってやさしく解説します。
読み進めることで、「自分の場合はいくらくらいかかりそうか」「いつ、どのように売却するのが良いか」の見通しが立てやすくなるはずです。
まずは、相続と売却で発生する税金の基本的な仕組みから見ていきましょう。

相続した家を売却するときの税金全体像

相続した家について考えるとき、多くの方がまず気にされるのが相続税と売却時の税金との違いです。
相続税は、被相続人から財産を引き継いだときに、その評価額に応じて課税される税金です。
一方で、家を売却したときには、売却によって利益が出た場合に、その利益に対して譲渡所得税と住民税が課されます。
このように、相続の段階と売却の段階で、それぞれ別の税金が関わる点を整理しておくことが大切です。

相続した家を売却した場合に、必ずしも譲渡所得税と住民税がかかるわけではありません。
売却代金から、取得費や売却にかかった仲介手数料などの諸経費を差し引いて利益が出たときに、はじめて課税対象となります。
逆に、利益が出なかった、あるいは損失が出た場合には、譲渡所得税や住民税は発生しません。
まずは「いくらで取得したか」「売却のためにどのような費用がかかったか」を確認し、利益の有無を把握することが重要です。

次に、税率に大きく影響するのが、所有期間と居住用かどうかという点です。
相続した家の所有期間は、被相続人が取得してからの期間も通算して判定し、売却した年の1月1日時点で5年を超えるかどうかで、短期譲渡所得と長期譲渡所得に分かれます。
一般に、5年以下の短期譲渡所得は税率が高く、5年超の長期譲渡所得は税率が低くなります。
さらに、自己の居住用として利用していた家であれば、居住用財産に関する特例が利用できる場合もあり、結果として税負担が軽くなる可能性があります。

税金の種類 課税の場面 主なポイント
相続税 財産を相続したとき 相続財産の評価額に課税
譲渡所得税 家を売却し利益が出たとき 所有期間で税率が変動
住民税 譲渡所得に応じて課税 譲渡所得税と同様に課税

相続した家を売却した場合の税金はいくらかかる?

相続した家を売却したときの税金は、まず「譲渡所得」がいくらになるかを計算するところから始まります。
譲渡所得は、一般に「売却価格-取得費-譲渡費用-各種の特別控除」という考え方で算出されます。
取得費には、被相続人が購入したときの代金や、建築費用、仲介手数料などが含まれますが、金額が不明な場合は売却価格の概ね5%を取得費とする方法も認められています。
また、譲渡費用には、売却のために支払った仲介手数料や測量費、建物の解体費用などが含まれるとされています。

相続した家を売ったときの税率は、「所有期間」が5年以下か5年を超えるかによって大きく変わります。
不動産の所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」となり、5年を超える場合は「長期譲渡所得」として区分され、長期の方が税率は低くなります。
具体的には、所得税と復興特別所得税、住民税を合わせた負担は、短期譲渡所得の方が長期譲渡所得よりおおむね高くなります。
そのため、どの時点で売却するかによって、最終的な税額が大きく変わる可能性があることを押さえておくことが大切です。

相続した家を売却するときには、「相続税額の取得費加算の特例」が使えるかどうかも重要なポイントです。
この特例は、相続財産を売却した場合に、支払った相続税のうち一定額を取得費に加算できる制度で、譲渡所得を圧縮し、結果として譲渡所得に対する税負担を軽減できる仕組みです。
ただし、適用を受けるためには、相続税の申告が必要であることに加え、相続から一定期間内に売却するなどの期限や条件が設けられています。
また、「取得費加算の特例」と、居住用財産の3,000万円特別控除など他の特例は重ねて使えない場合があるため、どの特例を優先するか慎重な検討が求められます。

項目 主な内容 確認のポイント
譲渡所得の計算 売却価格-取得費-譲渡費用 取得費や諸経費の根拠資料
所有期間と税率 5年以下は短期 5年超は長期 相続開始日と売却日の関係
取得費加算の特例 相続税額の一部を取得費加算 適用期限と他特例との関係

相続した家の売却で使える主な税金の特例

相続した家を売却する際には、譲渡所得から一定額を差し引くことができる特例を利用できる場合があります。
代表的なものが、親の自宅を売却するときに使える「居住用財産の3,000万円特別控除」です。
一定の条件を満たせば、売却益そのものが大きく減り、結果として税金がかからない、または大幅に軽くなることもあります。
こうした特例は申告が前提ですので、制度の概要と条件を早めに確認しておくことが大切です。

まず、親が実際に住んでいた自宅を引き継いだうえで売却する場合、「居住用財産の3,000万円特別控除」の対象となるかどうかを確認します。
おおまかには、相続後に自分や家族がその家を居住用として利用し、一定の期間内に売却することなどが条件とされています。
そのうえで、他の特例の併用可否や、過去に自分が同じ特例を使っていないかどうかも確認する必要があります。
適用要件は法改正で変わることもあるため、最新の国税庁の情報や税務署の案内を確認することが重要です。

次に、親が亡くなったあと誰も住んでいない家、いわゆる空き家を売却する場合には、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る3,000万円特別控除」と呼ばれる特例があります。
被相続人が1人で居住していたこと、相続開始後一定期間以内の譲渡であること、旧耐震基準の家屋であれば耐震改修か取壊しを行うことなど、条件は細かく定められています。
また、親族が大きな影響力を持つ法人への売却など、一部の譲渡先は対象外とされています。
要件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円が控除されるため、税負担を大きく軽減できる可能性があります。

さらに、これらの特例を受けるには、確定申告書に加え、売買契約書や登記事項証明書などの基本書類に加えて、特例ごとに決められた書類を添付する必要があります。
たとえば、空き家の特例では、市区町村が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」、相続関係を示す戸籍関係書類、相続登記が完了していることを示す書類などが求められます。
また、相続財産の取得費に相続税の一部を加算できる「取得費加算の特例」を併用する場合には、「相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書」なども必要です。
どの特例を使うかによって必要書類や手続きの流れが変わりますので、早めに整理し、申告期限までに余裕をもって準備することが重要です。

特例の種類 主な内容 主な確認事項
居住用財産の3,000万円特別控除 自宅売却益から3,000万円控除 自己または親の居住実態
空き家の3,000万円特別控除 相続空き家売却益から控除 被相続人の単身居住と期間
取得費加算の特例 相続税額の一部を取得費加算 相続税申告の有無と金額

税金・費用の不安を抑えて相続した家を売却するコツ

相続した家を売却する際には、税金だけでなく、さまざまな費用がかかります。
代表的なものとしては、毎年課税される固定資産税、売買契約書に貼る印紙税、登記手続に伴う登録免許税や司法書士報酬などがあります。
固定資産税は原則としてその年の1月1日時点の所有者に1年分が課税されますが、売買の場面では引渡し日を基準に売主と買主で日割り清算するのが一般的です。
また、相続登記の際の登録免許税は不動産の価額に税率0.4%を乗じて計算することが国税庁の税額表で示されていますので、事前に概算しておくと安心です。

こうした費用を把握したうえで、税金をできるだけ抑えるためには、売却前の準備が大切です。
まず、固定資産税の納税通知書や相続登記後の登記事項証明書などを確認し、所有状況や評価額、すでに支払っている税額を整理しておきます。
次に、売却によって利益が出るかどうかを簡単に試算し、譲渡所得の特例や控除の適用が見込めるか、所得税・住民税の負担がどれくらいになりそうかを税務署や税理士に相談しながら確認するとよいでしょう。
さらに、売却に伴う仲介手数料や契約書の印紙税などは譲渡費用として譲渡所得から差し引けるため、領収書や契約書を丁寧に保管しておくことも、結果的に税負担を抑えることにつながります。

また、相続した家をいつ売却するかというタイミングも、税金や費用の面で重要な判断材料になります。
不動産の所有期間が5年を超えると、譲渡所得に対する税率が一般に低くなるため、売却時期によって所得税・住民税の合計負担が変わる可能性があります。
一方で、売却を先送りすると、その間も固定資産税や管理費用が毎年発生し、空き家として放置すると維持管理の負担が増えるおそれもあります。
相続した家の老朽化の程度や、将来そこに住む予定があるかどうか、家族構成の見通しなどを踏まえ、税率の違いと保有コストの両方を比較しながら、自分にとって無理のない売却タイミングを検討することが大切です。

費用・税金の種類 主な内容 おおよその考え方
固定資産税 毎年1月1日時点所有者に課税 売却年は日割り清算が一般的
印紙税 売買契約書に課税される税金 契約金額に応じた定額負担
登録免許税等 相続登記や所有権移転の費用 不動産価額×税率で概算

まとめ

相続した家を売却するときは、相続税と譲渡所得税・住民税の仕組みを分けて理解することが大切です。
売却で利益が出た場合だけ税金がかかり、所有期間や居住用かどうかで税率や特例の有無が変わります。
また、譲渡所得の計算式や取得費加算の特例、3,000万円特別控除、空き家特例などを知っておくと、負担を抑えやすくなります。
固定資産税や登記費用などの諸費用も踏まえ、早めに情報を整理し、不安や疑問は専門家や当社へご相談ください。

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