相続登記前でも売却できるか知りたい方へ?  相続登記後の売却手順とできるかの判断軸を解説の画像

相続登記前でも売却できるか知りたい方へ? 相続登記後の売却手順とできるかの判断軸を解説

相続・空き家

木下 純也

筆者 木下 純也

不動産キャリア35年

「お客様のために一生懸命」がモットーです!
大小かかわらず本当に一生懸命取り組みます!
お客様に価値と感動を感じていただける仕事をします!
「任せてよかった!」と思っていただける自信があります!

親から不動産を相続したものの、「相続登記前 売却 できるか」「何から手を付ければいいのか分からない」とお悩みではないでしょうか。
相続は、登記・税金・相続人同士の話し合いなど、考えることが多く、そのまま時間だけが過ぎてしまうケースも少なくありません。
しかし、手順やポイントを押さえておけば、余計なトラブルや損失を防ぎながら、スムーズに売却まで進めることができます。
この記事では、相続登記前に売却できるかという基本から、相続登記の流れ、売却時の税金や期限、注意すべきポイントまでを整理して解説します。
「自分のケースではどう動けばよいのか」を具体的にイメージできるようになる内容ですので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

相続登記前でも売却できるかの基本

相続登記とは、亡くなった方名義の不動産について、相続人への所有権移転を法務局で記録する手続きのことです。
名義が被相続人のままでは、売買契約を結んでも所有権移転登記ができず、買主を新しい名義人として登記簿に載せられません。
そのため、実務上は相続登記を完了していない不動産は売却できないと考えるのが基本です。
相続した物件を売却したい場合は、「まず相続登記、その後に売却」という順番が前提になると理解しておくと安心です。

一方で、相続人全員が売却に同意し、遺産分割協議で誰が不動産を取得するかを決めたうえで売買を進める方法も、理論上は検討されることがあります。
しかし、不動産は登記簿上の名義人しか第三者に対して所有権を主張できないため、名義が故人のままでは買主は権利関係に大きな不安を抱えます。
実際に金融機関の融資や司法書士の手続きも、相続登記を前提として進められるのが通常です。
このような事情から、相続登記前の売却は、現実的にはほとんど利用されないと考えておくとよいでしょう。

さらに、法律面からも相続登記の重要性は高まっています。
民法等の改正により、相続によって不動産の所有権を取得した相続人は、「相続による所有権取得を知った日」または「遺産分割が成立した日」から原則3年以内に相続登記を申請する義務が定められました。
正当な理由なく申請を怠ると、過料の対象となる可能性もあります。
単に売却のためだけでなく、将来のトラブルや負担を避ける意味でも、相続登記を済ませてから売却に進むことが強く勧められています。

項目 相続登記前 相続登記後
売買契約の安全性 権利不安が大きい状態 名義明確で取引しやすい
金融機関の対応 融資困難になりやすい 通常の融資検討が可能
将来のトラブル防止 相続人間紛争の火種 権利整理済みで安心

相続登記から売却までの全体的な流れ

相続した不動産を売却するためには、まず相続人を確定し、遺産分割協議を経て相続登記を完了させることが基本の流れです。
相続人の確定には、被相続人の出生から死亡までの戸籍一式を取得し、誰が法定相続人かを確認します。
そのうえで、相続人全員で遺産分割協議を行い、不動産を誰が引き継ぐか、または売却前提で共有にするかなどを話し合い、遺産分割協議書を作成します。
協議内容に基づき、法務局へ相続登記を申請し、相続人名義へ所有権を移転することで、売却に進むための土台が整います。

相続登記が完了したあとは、売却に向けた準備として、登記事項証明書や固定資産税の納税通知書などの必要書類を整理します。
併せて、建物の築年数や増改築の有無、越境や境界標の状況など、物件の現況を確認しておくことも大切です。
さらに、相続税や譲渡所得税が発生する可能性がある場合には、売却前に税理士などの専門家へ相談し、おおよその税負担を把握しておくと安心です。
このような準備を行っておくことで、買主との交渉や契約の場面で、情報を的確に示すことができ、手続き全体がスムーズに進みます。

売買契約の段階では、売却条件に合意した買主と売買契約書を取り交わし、手付金の授受を行います。
その後、残代金決済日までに、登記識別情報や印鑑証明書、固定資産税の精算に関する資料などを整え、決済当日に司法書士が所有権移転登記の申請を行うのが一般的な流れです。
残代金を受け取り、鍵や関係書類を引き渡した時点で、売却手続きは一通り完了します。
なお、相続税や譲渡所得税の申告が必要な場合には、それぞれ定められた期限内に申告・納付を行うことが、手続き全体を適正に締めくくるうえで重要です。

段階 主な手続き ポイント
相続開始~相続登記 相続人確定と遺産分割協議 戸籍収集と協議書作成
売却準備 必要書類と物件調査 権利関係と現況確認
契約~引き渡し 売買契約と決済登記 残代金受領と鍵引渡し

相続した物件を売却するときの税金と期限

相続した不動産を売却するときには、まず関係する税金の種類を整理しておくことが大切です。
代表的なものとして、相続時にかかる相続税、不動産を売却して利益が出た場合にかかる譲渡所得税、あわせて課される住民税があります。
相続税は被相続人の死亡により財産を取得した時点で課税され、一定額を超える場合には相続開始日の翌日から10か月以内に申告・納付が必要です。
一方、譲渡所得税と住民税は、不動産を売却して利益が出た年分の所得として確定申告で申告する仕組みになっています。

次に、税額の計算の基本的な考え方について押さえておく必要があります。
相続した不動産を売却したときの譲渡所得は、「売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた金額」が基本となります。
取得費は、被相続人が購入したときの代金や仲介手数料に加え、相続に際して支払った登記費用や不動産取得税なども含めることができます。
こうした計算の結果、利益が出た場合にのみ譲渡所得税と住民税が発生しますので、事前に概算を把握しておくと安心です。

さらに、相続財産を売却する場合には、「相続税額の取得費加算の特例」が利用できるかどうかも重要なポイントです。
これは、相続や遺贈により取得した土地や建物などを、相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡したとき、支払った相続税の一部を取得費に加算できる制度です。
この特例を利用すると譲渡所得を抑えられ、結果として譲渡所得税や住民税の負担が軽くなる可能性があります。
一方で、この期間を過ぎてから売却すると特例が使えなくなるため、相続税の申告期限や売却時期を意識して計画的に進めることが大切です。

税金の種類 主な内容 主な期限
相続税 死亡により取得した財産への税金 相続開始翌日から10か月以内
譲渡所得税 売却益に対する所得税 売却した年分の確定申告期間
住民税 譲渡所得に課される住民税 翌年の住民税賦課の基礎
取得費加算特例 相続税額を取得費に加算 申告期限翌日以後3年以内の譲渡

相続登記前後の売却で注意すべきポイント

相続人が複数いる場合、不動産の売却には全員の同意が必要になるのが原則です。
名義人と売主が一致していなければ売買契約が実務上進められないため、誰の名義で相続登記を行うかを事前にしっかり話し合うことが大切です。
また、遺産分割協議書や印鑑証明書の取得など、必要書類の準備にも時間を要することがあります。
特に遠方に住む相続人や連絡が取りにくい相続人がいる場合は、早い段階で意向を確認しておくことが望ましいとされています。

相続登記を長期間放置すると、相続人が増えて関係が複雑になり、誰が権利者か分からなくなるおそれがあります。
その結果、全員の同意を得ることが難しくなり、売却したくても手続きが進められない「動かせない不動産」になってしまう事例が各種相談窓口でも報告されています。
さらに、相続登記の義務化により、正当な理由なく申請を怠ると過料の対象となる制度が設けられており、放置は経済的な不利益にも直結します。
このようなリスクを避けるためにも、相続発生後はできるだけ早く登記手続きに着手することが重要です。

相続した物件の売却手順や流れが分からない場合は、早めに専門家へ相談することが勧められています。
相続登記や名義変更の手続きは司法書士、不動産の評価や税金の申告は税理士、相続人間の紛争が懸念される場合には弁護士など、役割ごとに相談先が異なります。
また、誰に何を相談すべきか分からない場合でも、相続全般を取り扱う窓口に一度相談すると、登記・税務・法律面を含めた必要な専門家を紹介してもらえることがあります。
自分だけで判断せず、早い段階で相談の場を持つことで、売却までの工程を無理なく進めやすくなります。

場面 主な注意点 主な相談先
相続人が複数 全員の同意取得 弁護士など
登記を放置 権利関係の複雑化 司法書士など
売却と税金 申告期限と特例 税理士など

まとめ

相続した物件は、相続登記前でも条件次第で売却交渉は可能ですが、トラブル防止のためには相続登記を完了させてから進めることが基本です。
相続人の確定や遺産分割協議、必要書類の準備、税金や申告期限の確認など、やるべきことは多くあります。
独自に判断すると、相続人同士のトラブルや税金面の不利益を招くおそれもあります。
相続登記や売却の流れに不安がある方は、早めに当社へご相談ください。

お問い合わせはこちら

”相続・空き家”おすすめ記事

  • 相続したマンションの売却方法は?仲介の流れを初心者にもわかりやすく解説の画像

    相続したマンションの売却方法は?仲介の流れを初心者にもわかりやすく解説

    相続・空き家

  • 豊中市で不動産の相続トラブルを防ぐ方法は?売却時の注意点も解説の画像

    豊中市で不動産の相続トラブルを防ぐ方法は?売却時の注意点も解説

    相続・空き家

  • 豊中市で相続した不動産の買取はどうする?売却の流れや注意点も紹介の画像

    豊中市で相続した不動産の買取はどうする?売却の流れや注意点も紹介

    相続・空き家

  • 【2025年最新版】空き家の買取にはどんなメリットがある?デメリットや売却の流れも解説の画像

    【2025年最新版】空き家の買取にはどんなメリットがある?デメリットや売却の流れも解説

    相続・空き家

  • 不動産の相続登記が義務化された背景とは?罰則や相続しない方法も解説の画像

    不動産の相続登記が義務化された背景とは?罰則や相続しない方法も解説

    相続・空き家

  • 相続で固定資産税がかからない土地とは?相続税の必要性と処分方法も解説の画像

    相続で固定資産税がかからない土地とは?相続税の必要性と処分方法も解説

    相続・空き家

もっと見る