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空き家を放置するリスクとは?固定資産税増税前に売却を検討する理由

相続不動産

木下 純也

筆者 木下 純也

不動産キャリア36年

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相続などで使っていない実家や空き家を所有し、管理や固定資産税の負担に不安を感じていませんか。
ついそのままにしてしまいがちですが、空き家を放置すると、税金の増加や建物の劣化、近隣トラブル、さらには行政による指導や是正措置など、さまざまなリスクが重なっていきます。
特に、空家法の改正により、管理が不十分な空き家は管理不全空家等や特定空家等として扱われ、固定資産税の優遇が外れて負担が一気に増える可能性もあります。
一方で、適切なタイミングで売却を検討すれば、税金や維持費の悩みを軽減しながら、資産として有効に活用できる道も開けます。
そこで本記事では、空き家を放置するリスクと固定資産税の増税ポイント、そして売却を選択肢に入れる際の考え方を、できるだけ分かりやすく整理してご紹介します。

空き家を放置する4つのリスクと法改正のポイント

空家法は、正式名称を「空家等対策の推進に関する特別措置法」といい、平成26年に制定された法律です。
この法律により、市区町村は倒壊など周囲に著しい悪影響を及ぼす空き家を「特定空家等」に指定し、指導や勧告、命令、行政代執行といった措置を行うことができるようになりました。
さらに令和5年の改正で、将来的に特定空家等となるおそれがある段階の空き家を「管理不全空家等」と位置付け、より早い段階から指導等を行う仕組みが整えられています。
国土交通省は改正法の概要や基本指針を公表し、管理不全空家等や特定空家等への判断基準や、市区町村の具体的な対策の方向性を示しています。

空き家を長期間放置すると、税金面・建物面・近隣との関係・行政からの関与という、少なくとも4つの大きなリスクが生じます。
まず、適切な管理が行われていない結果、「管理不全空家等」や「特定空家等」に指定されると、土地に対する住宅用地特例が外れ、固定資産税が大きく増加する可能性があります。
また、建物の老朽化が進むことで、倒壊や外壁の落下、屋根材の飛散などの危険が高まり、補修や解体に多額の費用が必要になるおそれがあります。
さらに、雑草の繁茂やごみの放置、不審者の侵入などにより、防犯・防災・衛生面で周辺に悪影響を与え、近隣からの苦情やトラブルにつながる点も、各自治体が強く注意喚起しているところです。

管理不全空家等や特定空家等に指定されると、所有者はどのような流れで対応を求められるのかを理解しておくことが大切です。
改正空家法では、市区町村はまず所有者に対して適切な管理を求める指導を行い、改善が見られない場合には、必要な措置の内容を示した勧告や命令へと段階的に対応を強めることができます。
特定空家等については、なおも是正されない場合、行政代執行により建物の除却等が行われ、その費用が所有者へ請求される可能性があります。
さらに、管理不全空家等や特定空家等に対する措置は全国的に進んでおり、国土交通省の調査でも、管理不全空家等や特定空家等について除却や修繕などの対応件数が継続的に増加していることが示されています。

区分 主な状態 想定される主な影響
適切管理の空き家 定期的な点検と清掃 資産価値の維持と安全性
管理不全空家等 雑草繁茂や外壁劣化 近隣への迷惑と指導対象
特定空家等 倒壊危険や衛生悪化 勧告や命令と行政代執行

固定資産税が最大6倍に?増税リスクと具体的な仕組み

まず押さえておきたいのは、「住宅用地特例」と呼ばれる固定資産税の軽減措置です。
住宅が建っている土地については、固定資産税の課税標準額が最大で6分の1、都市計画税は3分の1まで軽減される仕組みがあり、多くの宅地で適用されています。
この特例は、人が実際に居住していない空き家であっても、一定の条件を満たせば原則として適用対象になります。
そのため、空き家を所有している方の多くは、この特例によって税負担が抑えられている状況といえます。

一方で、管理が不十分な空き家に対しては、近年の法改正により税負担を重くできる仕組みが整えられています。
空家法に基づき、市区町村が「管理不全空家等」や「特定空家等」に該当すると判断し、必要な措置をとるよう勧告した場合、その敷地は住宅用地特例の対象から外されます。
その結果、固定資産税は最大で約6倍、都市計画税も約3倍にまで増える可能性があると、総務省や各自治体の資料で説明されています。
適切な管理を怠ると、税金面だけでも大きな負担増につながることを理解しておく必要があります。

さらに注意したいのは、空家法に基づく行政の手続きの流れです。
まず所有者に対して助言や指導が行われ、それでも改善されない場合には勧告が出され、この段階で住宅用地特例が外れるのが基本的な仕組みとされています。
それでも状態が改善されなければ命令、最終的には行政代執行により危険部分の除却などが行われ、その費用は所有者に請求される可能性があります。
このように、放置を続けると税金の増加とあわせて、行政対応に伴う費用負担が重くのしかかる点を押さえておくことが大切です。

段階 税負担の変化 所有者の主なリスク
通常の住宅用地 住宅用地特例で税額軽減 固定資産税・都市計画税は抑制
管理不全空家等に勧告 住宅用地特例が外れ税額増加 固定資産税が最大約6倍
特定空家等・行政代執行 高い税負担が継続 除却費等の所有者負担

空き家を放置すると資産価値はどう下がる?お金のデメリット

空き家は人が住まなくなると、雨漏りや湿気、害獣の侵入などに気付きにくく、老朽化の進行が早まる傾向があります。
国土交通省が公表した空き家所有者実態調査でも、腐朽や破損の程度が大きい空き家ほど、行政からの措置や固定資産税の負担増につながりやすいことが示されています。
また、自治体の啓発資料でも、放置期間が長い空き家は再利用や売却が難しくなり、資産価値が段階的に低下していく点が指摘されています。
このように、空き家を「そのままにしておくこと」自体が、資産価値と売却のしやすさを同時に下げてしまう要因になります。

建物の傷みが進むと、購入希望者は修繕費用を見込んで価格交渉を行うため、売却価格が下がりやすくなります。
さらに、雨漏りや構造部分の腐朽が目立つ状態になると、金融機関の融資が付きにくくなり、現金で購入できる一部の買主にしか売れない可能性も高まります。
自治体の空き家リスクに関する資料でも、老朽化した空き家はリフォーム費用がかさみ、処分時に解体を前提とした土地売却になりやすいと整理されています。
結果として、売却までに時間がかかるうえ、最終的な手取り額も想定より小さくなりやすいことが大きなお金のデメリットです。

また、空き家の敷地に雑草が繁茂したり、不法投棄が繰り返されたりすると、防犯や防災の面で周辺環境に悪影響を及ぼします。
自治体の案内資料でも、管理されていない空き家は火災や倒壊、害獣の発生などを通じて近隣住民に不安を与え、苦情やトラブルの原因になりやすいとされています。
万が一、倒壊した塀や落下物が通行人や隣接地に損害を与えた場合には、所有者が損害賠償責任を負う可能性があり、突発的に多額の支出が発生するおそれがあります。
このようなリスクは、適切な管理や早期の活用・売却によって、事前に抑えることが重要です。

空き家を長期間放置すると、修繕費や害虫駆除費、庭木の伐採や雑草の除去などの維持管理費が積み重なります。
さらに、建物が危険な状態と判断され、解体が避けられなくなった場合には、数十万円から数百万円規模の解体費用が発生します。
例えば、建築士会の資料によると、一般的な一戸建て木造住宅を解体する場合、解体工事費や廃棄物処分費などを含めて、概ね「建物面積×1万3000~1万5000円程度」が目安とされています。
このように、空き家を使わずに持ち続けるほど、売却価格の下落に加え、維持管理費や解体費用といったお金の負担が増え続ける構造になっていることを理解しておく必要があります。

項目 内容 資産への影響
建物老朽化 雨漏り腐朽による傷み 売却価格の低下要因
周辺環境悪化 雑草繁茂や不法投棄 近隣トラブルと賠償懸念
維持解体費用 管理費と解体費の累積 手取り資金の大幅減少

空き家を増税前に手放すには?売却を検討すべきタイミング

まずは、どのような場合に空き家の売却を前向きに検討した方がよいかを整理しておくことが大切です。
例えば、自ら住む予定が全くない場合や、将来利用する具体的な計画がないまま数年が経過している場合は、維持管理費と固定資産税だけが継続的に負担となっていきます。
また、建物の老朽化が進み「管理不全空家等」や「特定空家等」に該当するおそれがあると、住宅用地特例が外れて固定資産税が最大で約6倍に増える可能性が指摘されています。
このような状況が複数当てはまる場合は、増税が現実化する前に売却を含めた整理を検討するタイミングと考えられます。

次に、空き家を売却するまでの一般的な流れを押さえておくと、行動のイメージがつきやすくなります。
通常は、現地の状況や法的な権利関係を確認し、必要に応じて測量や建物の状態確認を行ったうえで、媒介契約の締結、販売活動、売買契約、引き渡しという順序で進みます。
売却が完了すると、その翌年度以降は土地・建物の固定資産税や都市計画税、火災保険料、日常の管理費用などの負担が原則としてなくなるため、長期的な支出を抑える効果が期待できます。
このように流れを理解したうえで計画的に進めることで、心理的な負担も軽減しやすくなります。

さらに、増税リスクが高まる前に早期売却へ動き出すことには、いくつかの重要なメリットがあります。
放置期間が長くなるほど建物や設備の劣化が進み、資産価値の下落や解体費用・修繕費用の増大につながると指摘されており、早い段階で売却方針を決める方が結果として手取り額を確保しやすくなります。
そのためには、まず現状の固定資産税額と維持費を整理し、自治体からの文書や通知が届いていないかを確認し、必要に応じて専門機関や窓口へ相談するなどの初動を早めることが有効です。
こうした一つ一つの行動を積み重ねることで、空き家を漫然と放置する状態から脱し、増税前に納得のいく形で手放す準備を進めることができます。

売却検討のサイン 早期売却の主なメリット 今すぐ始めたい初動ステップ
将来利用の具体的計画なし 固定資産税等の長期負担軽減 固定資産税額と維持費の一覧化
老朽化や管理不全の不安 資産価値の下落を抑制 建物状態と敷地状況の点検
自治体からの文書や通知 増税・行政介入の回避 自治体窓口や専門機関への相談

まとめ

空き家を放置すると、固定資産税の増税や建物の老朽化、近隣トラブル、行政介入など、複数のリスクが同時に進行します。
とくに「管理不全空家等」「特定空家等」に指定されると、住宅用地特例が外れ、固定資産税等が最大で約6倍になる可能性もあり注意が必要です。
将来使う予定がはっきりしない空き家は、資産価値が落ちる前に売却を検討することで、税金や維持管理費の負担を早く軽減できます。
「うちの空き家は大丈夫だろうか」と少しでも不安を感じた方は、まずは当社へご相談ください。
現状のリスク確認から売却の流れまで、分かりやすく丁寧にご説明いたします。

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